フラダンス、タヒチアンダンスの指導を担当した早川さんは
子どものころからクラシックバレエを習い、
24歳の時に訪れたハワイでフラダンスと出合い、
数年後、ハワイに留学して本場のフラダンス、タヒチアンダンスを学んだ。
フラダンスのフラは「踊り」の意味。
手話ダンスで話をするように、やさしく踊る。
庶民的な踊りで技術的に難しくないが、だからこそ美しくしなやかに踊るのは難しい。
ポリネシアンダンスは腰に重心を置いた激しく、情熱的な踊り。
教師の父を持つ早川さんはレッスンだけでなく、礼儀にも厳しかった。
一方、フラメンコは魂とリズムの踊り。
虐げられたジプシーの踊りでもあり、
喜び、悲しみ、苦しみを生活のなかからそのまま舞踊芸術にした。
踊り手の思いを個性的に表現し、
情熱を内に秘めながら一瞬、パッとひらめかす。
フラメンコを指導した香取さんは
「こころが大切なのよ」
が口癖だった。
踊りに気持ちを込め、芸術の域にまで持っていく。
それには自分自身の精神性も高めなければならない。
敵をつくらず、敵を持たず、敵とも思わない。
そんな大人の女性の振る舞いも、自身の姿で示した。

常磐女学院2