ナマズ
ナマズ(鯰)は、ナマズ目ナマズ科に属する硬骨魚類の一種。
日本・中国・朝鮮半島・台湾など、東アジアの河川や湖沼に生息する淡水魚である。
日本では別名としてマナマズ、琵琶湖周辺地域での地方名としてヘコキとも呼ばれる。
最近では特定外来生物に指定されているアメリカナマズとの区別を明確にするためか、
ニホンナマズと呼ばれることも多くなっている。
ナマズは日本に分布する3種類のナマズ属魚類の一種である。
他の2種(ビワコオオナマズ、イワトコナマズ)が琵琶湖と
関連水系のみに生息する日本固有種であるのに対し、マナマズの分布は東アジア全域にわたり、
日本においても現代では北海道と沖縄などの離島を除く全国各地の淡水域に幅広く分布している。
日本在来の淡水魚は雑食のものが多いため、在来魚としては数少ない大型の肉食魚である。
大きな体をくねらせてゆったりと泳ぎ、扁平な頭部と長い口ヒゲ、
貪欲な食性を特徴とする本種は、古代から食用魚として漁獲されたほか、
さまざまな文化に取り入れられた歴史をもつ。
日本では中世以降地震と関連付けられ、浮世絵をはじめとする絵画の
題材にされるなどして、人間との関わりを深めてきた。
日本では、地震の予兆としてナマズが暴れるという俗説が広く知られている。
また、地面の下は巨大なナマズ(大鯰)がおり、
これが暴れることによって大地震が発生するという迷信・民俗も古くからある。
ナマズが地震の源であるとする説は江戸時代中期には民衆の間に広まっていたが、
そのルーツについてはっきりしたことはわかっていない。
ナマズと地震の関係について触れた書物としては古く『日本書紀』にまで遡ることができるといわれる。
安土桃山時代の1592年、豊臣秀吉が伏見城築城の折に家臣に当てた書状には
「ナマズによる地震にも耐える丈夫な城を建てるように」との指示が見え、
この時点で既にナマズと地震の関連性が形成されていたことが伺える。
江戸時代の『安政見聞録』には安政大地震前にナマズが騒いでいたことの記述がある。
江戸後期には地震など社会不穏を背景として、鯰絵や妖怪などを描いた浮世絵が流通している。
一般には地震とナマズの関係は俗信とされている。
ただ、魚類は音や振動に敏感で、特にナマズは電気受容能力に長けており
電場の変化にも敏感であることから地震予知能力があることも考えうるとされ今後の研究に委ねられている。
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