クリオネ (Clione) は、軟体動物門腹足綱裸殻翼足類
(裸殻翼足目、または後鰓目裸殻翼足亜目)ハダカカメガイ科の1属である。
クリオネ属、ハダカカメガイ属。日本ではハダカカメガイ(裸亀貝) Clione limacina が知られる。
ギリシア神話に登場する文芸の女神たちムーサイの一柱クレイオー(ラテン語形 Clio)に、由来する。
巻貝の仲間であるが、成長すると完全に貝殻を失う(裸殻翼足類共通の特徴である)。
体は透明な部分が多く、体の前半に局在する内臓のみが不透明である。
胴体の前部に透明な1対の翼足 (pteropods) があり、翼足を動かして遊泳する。
この姿から「流氷の天使」あるいは「氷の妖精」と呼ばれ、英語では sea angel とも呼ばれる。
ただしsea angel はもっと広く、裸殻翼足類の総称的に使われることが多い。
両極をかこむ寒流域に広く分布している。
日本でも北海道沿岸の海でハダカカメガイ Clione limacina が一年中見られる。
カナダ西海岸のクリオネは、体長が一回り大きく、食物の違いで内臓が緑色をしている。

クリオネ