カワニナ

カワニナ(川蜷)は、カワニナ科に分類される巻貝の一種。
東アジアの淡水域に棲む細長い巻貝で、
ゲンジボタルやヘイケボタルといった水生ホタル幼虫の餌としても知られている。
なお「カワニナ」という語はカワニナ科に分類される貝類全体や、
さらにはオニノツノガイ上科に分類される貝類のうち淡水~汽水に生息する複数の科、
すなわちカワニナ科、トゲカワニナ科などの貝類の総称としても用いられることがあるが、
その場合は「カワニナ類」の意である。これらカワニナ類のうち日本には2科が分布し、
琵琶湖水系からは独特な種分化を遂げた十数種ものカワニナ科の固有種が知られ(後述)、
南日本の汽水域にはタケノコカワニナなどトゲカワニナ科(トウガタカワニナ科)の複数種が分布するが、
外見が似ていて同定が難しいものも多い。
種としてのカワニナは一部地域で食用とされる他、ビオトープなどに持ち込まれることもある。
しかしホタル類幼虫の餌としての利用が圧倒的に有名である。
ゲンジボタルの繁殖促進の試みは日本各地で行われており、特に都市近郊の公園などではそういった活動が盛んである。
その一環で餌となるカワニナを増やす試みが行われる。
本種は清流にすむと思われがちであるが、実際はある程度の有機物のある川に多産する。
そのため、山間部では本種を増やすために野菜くずなどを川に投入し、成功を収めた例もある。

カワニナ